今回は換気について紹介します。
まず、建築基準法において住宅は1時間に0.5回以上、家全体の空気を入れ替えるよう
義務づけられています。1時間に0.5回=2時間で1回です。
これはなぜかというと、室内に発生し続けるVOC(揮発性有機化合物)とホルムアルデヒドを外に逃がすためです。
これらはシックハウスの原因であり、フローリング、ビニルクロス、ビニル幅木、ペンキ等、天然素材を除くほぼすべての内装材に含まれています。
(天然素材でも保護塗料が塗ってあれば当然含まれます。)
ホルムアルデヒドの発散量には規制があり、F☆☆☆☆(通称フォースター)が
最も発散量が少ない等級であり、ほとんどの内装材はこれにあたりますが、発散量が0というわけではありません。
なので、VOCとホルムアルデヒドを外に逃がすために換気が必要なのです。他にもファンヒーターや人の呼吸からCO2が発生するので、これを逃がすためでもあります。
皮肉なことに、現代の住宅は高気密であるが故に、隙間から熱を逃がさないと同時に、有害物質も逃がさないようになっているのです。
そこで換気装置を使って2時間に1回、家全体の空気を入れ替えるのですが、
ここで気になるのは冷暖房中の換気です。
例えば外気温0℃のときにエアコンで室内を20℃に暖めていた場合、
換気をすることによって、常に0℃の空気を取り込み、20℃の空気を外へ捨てていることになります。さらに言えばエアコンで電気を消費して室内を暖めているのに、
換気装置で別に電気を消費して暖かい空気を捨てているのです。
かなりもったいないですね。次回はこれの解決法を紹介します。