住宅の基礎に必要なコンクリートの強度について説明します。
まずは用語の説明です。小難しいので読み飛ばしてください(笑)
コンクリート:水+セメント+細骨材(砂)+粗骨材(砂利)からできています。
コンクリートは圧縮力には強いですが、
引張力には弱いです(圧縮の1/10以下)
だから鉄筋を入れて引張力を負担させています。
圧縮力の単位はN/㎟です。
例えば10N/mm2で10cm角のコンクリートなら
10N×100mm×100mm=100,000N≒10tの重さまで耐えられます。
設計基準強度:何が何でも必要な強度です。
通常は18N/mm2か21N/mm2です。
調合管理強度:呼び強度ともいいます。
設計基準強度に温度補正を加えた強度です。
設計21で温度補正3なら21+3=24N/mm2になります。
さて、では具体的にコンクリートにはどのくらいの
強度が必要なのか考えてみます。
例えば2階建ての45坪(149m2)の木造住宅の重さは約57tです。
これをコンクリートの強度を21N/mm2として、
安全率を見て1/3の7N/mm2としたとしても、
わずか30cm角のコンクリートさえあれば
建物を十分に支えられることになります。
なのになぜ、大きな基礎が必要になるかというと建物の重さは均等ではなく
特に地震時には揺れ方によって荷重が集中してしまうからです。
はっきり言ってしまえば
コンクリートの強度は18でも21でも、どっちでもいいんです。
それよりも大事なのは、コンクリートをきちんと養生して強度を確保したり、
建物の形状をできるだけ立方体に近づけて柱を均等に配置できるような
平面プランを作る方がよっぽど耐震上重要だということです。