工務店から構造計算書が送られてきたので確認しました。
こちらの要望として耐震等級3(基準の1.5倍の値で最高等級)になる
ようにお願いしていたので、その確認です。
住宅の耐震規定には5つのステップがあり、それを等級ごとに定められる
基準値をすべてクリアできて初めて等級が決まります。
1.壁量の計算
最も重要な項目であり、耐震上有効な壁の長さ×壁倍率の合計が必要等級の
値より多ければクリアです。
必要な壁量はざっくり言うと
等級値×地震係数×地盤係数×屋根種別係数×階ごとの床面積=必要壁量
となります。ちなみに地盤の状態が悪かったり、瓦等の重たい屋根材を使うと
耐震等級3はほぼ不可能となります。
2.四分割法での壁量の計算
配置した壁がX方向の左右4分の1の部分、Y方向の上下4分の1の部分に
おいて、それぞれ必要壁量が確保されているかの確認です。
要はバランスよく壁が配置されているかの確認です。
3.偏心率の確認
配置した壁が建物全体に対して偏っていないかの確認です。
同じくバランスよく壁が配置されているかの確認です。
4.接合部の確認
筋交い等の耐震部材を適切な金物で接合されているかの確認です。
5.床倍率の計算
階ごと、XY方向において必要な床量が確保されているかを計算します。
吹抜けがあると不利になります。
上記の5つの条件を満たすように壁を配置した図面が↓です。
1階壁配置図
2階壁配置図
筋交いによる断熱欠損を無くすため、外壁部は面材耐力壁のみで
構成したかったのですが、耐震等級3のため相当の壁量が必要に
なり、面材耐力壁+筋交いという部分もでてきてしまいました。
とりあえずは計算の結果、最高等級である耐震等級3を確保できました。
耐風等級については耐震等級3ならほぼ確実に最高等級の2になります。