タカラのショールームへ行って以来、気になることが出てきました。
それがレンジフードの排気について。
パナソニック製のレンジフードを運転させると130~420m3/hの
排気が行われるのですが、排気した分と同量の給気をどうやって
確保するかということです。
適切に給気しないと隙間風が吹き込み、風切り音や玄関ドアの開き
にくさに悩まされることになると思われます。
それを解消する(と思われる)のが同時給排気型レンジフードです。
これは名前のとおり給排気を同時に行えるシステムですが、
ここで気を付けなければならないのが、
排気分すべてを給気してくれるわけではないということです。
パナソニックのFAQによると
「給気ダクト以外のお部屋の相当隙間面積140cm2以上を想定して
おります。」とのことです。つまり140㎡(42坪)の家であれば
C値1.0以上必要ということになります。
同時給排レンジフードはどういったフードですか。 - レンジフード - Panasonic
断熱性を高めるために隙間をなくし、C値を低くしたいのにC値が
低いとレンジフード排気で諸々の問題が起きるという非常に悩ましい
問題です。さらに他の部屋から給気分を引っ張ってくるということは、
その部屋の空気が持つ熱も一緒に引っ張ってきて捨ててしまうという
ことになります。エコハウスで有名な建築家である松尾和也氏に
よるとレンジフードの排気による熱損失で4,170円/月も暖房費が無駄
になるそうです。
(ちなみに6.6時間/日運転した場合なので1時間/日なら約630円/月です。)
こう考えると同時給排気型レンジフードはあまり解決策となって
いないような気がします。
第2の解決策として差圧給気口の設置です。これはレンジフードが作動
して給気量が足りなくなり、部屋が負圧になると自動で開いて給気して
くれるというものです。
デメリットとしては壁に穴を開けるのでそこが断熱欠損になってしまい、
結露のリスクがあること。
また、そこからレンジフード排気口に向かって風が流れるので調理時は
寒く(暑く)なることでしょうか。
そうするとやはりレンジフードの近くに窓を設けて、調理時は少しだけ
窓開けて、その場で給排気を完結させるのが古典的ながらベストなのかも
しれません。もちろん調理している人は寒い(暑い)でしょうが、家全体
から熱を奪うのに比べたらマシという程度です。
何かいい方法がないか模索中ですが、問題の構造自体がシンプルなだけに、
すべてが丸く収まる解決策はないのかもしれません。
ちなみに第三種換気の住宅ではこの問題は生じません。
というより各部屋の給気口から取り入れる給気量が増えるだけなので
気がつきません。もちろん熱損失はその分増えるので、問題が生じない
というよりは、問題に気づけないというほうが正しいかもしれません。