uma-chuのブログ

HEAT20 G3。総2階建45坪。UA値0.24。C値0.20。天井:CF400mm。外壁:CF105mm+ネオマフォーム50mm。床:ネオマフォーム100mm。窓:サーモスX(トリプル)。玄関:グランデル2(ハイグレード仕様)。ダクトレス第一種換気(passiv fan)。太陽光5kw(パナソニック)。耐震等級3。維持管理等級3。劣化対策等級3。外装:ガルバ鋼板。内装:珪藻土壁、さらりあ~と、クリアトーン12SⅡ。サンルーム。バルコニー。2台用カーポート。総額3,350万円

内窓設置による熱損失の低下率

今回は内窓設置でどれくらい熱損失(熱貫流率)が抑えられるのか計算してみます。

かなりマニアックな内容です。

まず、窓からの熱損失が非常に大きいのは常識ですが、どれくらいかというと

ykkapの最高グレードであるAPW430+(樹脂サッシ+トリプルガラス)ですら

高性能グラスウールを105mm詰めた壁の2倍近く熱損失していきます。

それで窓、窓、窓と重要視されるわけですが、内窓設置でどれくらい改善されるか

調べてみたところ、ネット上には内窓単体の熱貫流率が載っている資料が見当たりません。

ykkapやLIXILのサイトに既存の製品に内窓を付けた場合の合計の熱貫流率は載っている

ものの、データの根拠となる数値が「代表試験体」に基づくものではなく、

「省エネ基準に準拠した建具とガラスの組み合わせ」という汎用性のある甘めの

数値なので実際の数値には程遠いと思われるものしかありませんでした。

代わりにykkapのプラマードU(内窓)のカタログに試験データっぽいものが

あったので、これを利用して算出してみました。

 

これは既存の窓(アルミサッシ+単板ガラス)に色々な仕様の内窓をつけた場合、

貫流率がどの程度まで落ちるかを示した資料なので、これを基に内窓だけの性能を

算出していきます。熱貫流率をまとめると以下のようになります。

既存窓(アルミサッシ+単板ガラス)のみ:6.51

既存窓+内窓(単板ガラス):2.82

既存窓+内窓(ペアガラス):2.01

既存窓+内窓(Low-eペアガラス):1.42

次にテキストにある計算式から内窓のみの熱貫流率を算出します。

色々記号が出てきますが、実際の内容は分数の四則演算だけです。

結果、内窓だけの熱貫流率は以下のとおりになりました。

内窓(単板ガラス):5.05

内窓(ペアガラス):2.93

内窓(Low-eペアガラス):1.82

 

さらに計算式を基に既存の窓に内窓をつけるとどのくらい熱貫流率が低下するのか。

計算の関係上、一律に何割低下するというのが出せないため、仕様ごとに列記します。

 

◆既存窓(樹脂トリプル)0.78に内窓をつけた場合

内窓(単板ガラス)→0.67(▲16%)

内窓(ペアガラス)→0.61(▲28%)

内窓(Low-eペアガラス)→0.55(▲42%)

 

◆既存窓(アルミ樹脂トリプル)1.03に内窓をつけた場合

内窓(単板ガラス)→0.85(▲21%)

内窓(ペアガラス)→0.76(▲36%)

内窓(Low-eペアガラス)→0.66(▲56%)

 

◆既存窓(樹脂ペア)1.27に内窓をつけた場合

内窓(単板ガラス)→1.01(▲26%)

内窓(ペアガラス)→0.88(▲44%)

内窓(Low-eペアガラス)→0.75(▲69%)

 

◆既存窓(アルミ樹脂ペア)1.66に内窓をつけた場合

内窓(単板ガラス)→1.24(▲34%)

内窓(ペアガラス)→1.06(▲57%)

内窓(Low-eペアガラス)→0.87(▲91%)

 

思ったとおり既存窓の性能が低いほど内窓設置による熱貫流率の低下率が

大きくなりました。といっても1か所数万円かかるので、費用対効果としては

既存がペアガラスなら内窓をつけても冷暖房費の元をとるというのは難しい

かもしれません。