uma-chuのブログ

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吹込み断熱材の沈降量

天井用に圧をかけない吹込み系断熱材(ロックウール、グラスウール、セルロースファイバー)の沈降量を調べた論文を見つけました。これは興味ある人が多いのではないでしょうか。

地方独立行政法人北海道立総合研究機構
建築研究本部建築性能試験センターが各メーカーと共同で研究したようです。

↓概要版です。

https://www.hro.or.jp/list/building/pdf/R01gaiyo/R1_poster12.pdf

 

概要としてはロックウール(RW)、グラスウール(GW)、

セルロースファイバー(CF)の3種類の断熱材について、以下の3種類の

試験を行い、結果がまとめられていました。

・長期沈降試験(1,000日=約3年)

・高温高湿試験(75℃湿度80%)

・振動試験

 

それでは結果です。

・長期沈降試験(1,000日=約3年)

約3年間なにもせず放置しておいた場合の沈降具合です。

f:id:uma-chu:20220303103554j:plain

 

ロックウール、グラスウールともに沈降量は1%程度なので

ほぼ沈降しないと言っていいでしょう。

一方、セルロースファイバーは最初の3週間で7%沈降し、

1,000日後には10%沈降しています。

ちなみに波を打っているのは高湿の夏は吸湿して重くなり、低湿の冬は放湿して軽くなるためだと思われます。

 

f:id:uma-chu:20220303103600j:plain

・高温高湿試験(75℃湿度80%)
左のグラフです。

ロックウール、グラスウールともに沈降量は1%程度なので

ほぼ沈降しないと言っていいでしょう。

一方、セルロースファイバーは1ヶ月で11%程度沈降しています。

ちなみに50℃80%だと沈降量は8%程度です。

セルロースファイバーは調湿効果があるという証明にもなっています。

 

・振動試験

右のグラフです。振動装置をつけた箱の中での試験結果です。

ロックウールの沈降量は1%程度なのでほぼ沈降しないと言っていいでしょう。

グラスウールは3%程度なので、少し沈降はあるかなという感じです。

そしてセルロースファイバーは10%程度沈降しています。

 

◆まとめ

沈降量の少なさという観点で言えば優秀なのはロックウールで、

次いでグラスウールです。

セルロースファイバーは日数経過、高温高湿、振動のいずれにも弱く、

約10%の沈降が生じることが分かりました。

対策としては設計値より10%厚く吹き込むか施工の3週間後以降に再度吹き込むことが望ましいと思います。