令和3年の一級建築士学科(一次)試験の合格発表がありました。
合格率は前年より5%ダウンの15.2%でした。
一次試験で15.2%は過去10年を見ても最低の合格率で受験生にとっては
狭き門だったと思います。
ここからさらに二次試験で4割以下に絞られますので、
最終合格率は6%程度に落ち着くのではないかと思います。
しかしながら合格率が低い原因は試験の難化ではなく、
昨年に受験資格が大幅に緩和されたためだと思われます。
受験資格は本来2年間の実務経験が必要でしたが昨年撤廃され、
大卒後すぐに受験できるようになりました。
その結果、受験者数は増えたものの合格率は下がり、合格者数は
変わらず、建築士の高齢化に歯止めがかかっていない状況です。
一級建築士は業界では持っていて当然でいわゆる入門編みたいな
資格ですが、それゆえに大学を出て就職したばかりの新入社員が
会社の上司から受験のプレッシャーをかけられることを想像すると
いたたまれません。
内定が出た時点で1年目で受験するよう勉強しておけと言われている
就活生も数多くいることでしょう。
資格学校に通えば100万円以上の出費があり、一発合格しなければ
延々と学校にお布施を続ける事態にも陥ります。
当然、新入社員にそんな金銭的余裕があるはずもなく、資格学校は
それにつけこんで受講費ローンまで勧めてくる始末。
建築士の闇は深い…