住宅性能表示制度において耐震等級や断熱等性能等級の他に
維持管理対策等級というものがあります。
これは主にガス管・給水管・排水管のメンテナンスの容易さを
表したもので1~3まで等級があります。
ざっくりいうと以下のようになります。
等級1:トラブル(排水詰まり等)が起きた時に床+基礎コンクリートを
壊さなければ補修できない部分がある
等級2:トラブルが起きた時に基礎コンクリートは壊さなくていいけれど
床や壁は壊さなければ補修できない部分がある
等級3:トラブルが起きた時にどこも壊さず補修ができる
こう見ると何が何でも3が欲しい。むしろ最低条件です。
では具体的にどうすればいいかというと
等級1は2・3じゃなければ自動的になってしまいます。
等級2は写真のように基礎の立上りの部分から排水管を横に抜いて下に落とす。
それでは見た目がかっこ悪いという場合は図のように基礎の底板から排水管を
抜くけれどもスリーブ方式(二重配管)にして内側の配管を引っこ抜けるようにする。
ただ底板から抜くとシロアリの侵入路になる可能性があります。
等級3は等級2に加えて点検口や掃除口を設けて日常点検を容易にする
たったこれだけです。コストについても1→2は施工方法だけの問題なので
ほぼ0円です。2→3も数万円程度のアップで済みます。
後々にトラブルで基礎や床を壊して数十万円の補修費を払うよりはよっぽど
マシです。
しかしここで問題があります。
それは施主側が伝えない限り施工者側の標準仕様になってしまうということです。
等級3を標準としていない限り1や2になってしまい、法律違反でもないため
責めることもできません。
施主側に知識を求める日本の住宅事情は異常だと思いますが、自分の身は自分で
守らねばならないのが現状です。
施工者にノウハウがない場合、単に「維持管理対策等級3でお願いします」と
言っても伝わらないので資料を見せて後々のメンテナンスのことも考えて
工事をしてほしいと伝えましょう。