前回の続きです
uma-chu.hatenablog.com【ベースの断熱スペックとQ値】
建物:45坪(149㎡)総2階建て
床:セルロースファイバー 100mm
壁:セルロースファイバー充填 105mm
天井:セルロースファイバー 400mm
窓:アルミ樹脂複合+Low-e複層ガラス(サーモスⅡ-H)
換気:第三種換気
Q値:1.60
【グレードアップのQ値と費用】
床:フェノールフォーム 100mmに変更
Q値:▲0.05 :+216,000円(4,320,000円/Q値)
壁:フェノールフォーム 50mmを付加
Q値:▲0.28 :+1,059,000円(3,782,000円/Q値)
窓:アルミ樹脂複合+Low-eトリプルガラス
(サーモスX)に変更
Q値:▲0.17 :+676,000円(3,976,000円/Q値)
換気:ダクトレス第一種換気(熱交換率90%)
に変更
Q値:▲0.31 :+402,000円(1,297,000円/Q値)
これをQ値あたりの金額でコスパのよい順に並べると
換気>壁>窓>床 の順になります。
それぞれのグレードを上げるとQ値も
1.60→1.29→1.01→0.84→0.79に変わります。
さらに地域ごとにQ値減少分で初期費を40年で回収できるか計算します。
延床149㎡ 電力単価27円/kw エアコンAPF5.0
【札幌 冷暖房費削減額 回収年】
床: ▲0.05:▲ 4,400円/年:49.1年
壁: ▲0.28:▲24,600円/年:43.0年
窓: ▲0.17:▲14,900円/年:45.4年
換気:▲0.31:▲27,200円/年:14.8年
換気のみ40年以内に回収となりました。
つまり最適なQ値は1.29となります。
ちなみに年間冷暖房費はQ値1.60で140,400円/年
Q値1.29で113,200円/年(▲27,200)です
【仙台 冷暖房費削減額 回収年】
床: ▲0.05:▲ 3,100円/年:69.7年
壁: ▲0.28:▲17,500円/年:60.5年
窓: ▲0.17:▲10,700円/年:63.2年
換気:▲0.31:▲19,400円/年:20.7年
換気のみ40年以内に回収となりました。
つまり最適なQ値は1.29となります。
ちなみに年間冷暖房費はQ値1.60で100,400円/年
Q値1.29で81,000円/年(▲19,400)です
【東京&大阪 冷暖房費削減額 回収年】
床: ▲0.05:▲ 2,400円/年:90.0年
壁: ▲0.28:▲13,200円/年:80.2年
窓: ▲0.17:▲ 8,000円/年:84.5年
換気:▲0.31:▲14,600円/年:27.5年
換気のみ40年以内に回収となりました。
つまり最適なQ値は1.29となります。
ちなみに年間冷暖房費はQ値1.60で75,300円/年
Q値1.29で60,700円/年(▲21,400)です
【福岡 冷暖房費削減額 回収年】
床: ▲0.05:▲ 2,200円/年:98.2年
壁: ▲0.28:▲12,600円/年:84.0年
窓: ▲0.17:▲ 7,700円/年:87.8年
換気:▲0.31:▲14,000円/年:28.7年
換気のみ40年以内に回収となりました。
つまり最適なQ値は1.29となります。
ちなみに年間冷暖房費はQ値1.60で72,300円/年
Q値1.29で58,300円/年(▲14,000)です
◆まとめ
40年以内にグレードアップ分の初期費を
回収できるのはコスパのよいダクトレス第一種換気のみ
となってしまいました。日本のエアコンの性能が高すぎるため
初期費を回収するという観点で見ると、断熱性能を上げるより
高効率の設備に投資したほうがコスパがよいのかもしれません。
(もちろん設備費はかさみますが)
Q値も1.3あれば十分すぎるし、むしろそれ以下を求めるべきでは
ないのかもしれません。
※今回の試算は窓への日射熱を一切考慮していません