今回は住宅でよく使われる3種類の断熱材について紹介します。
1.グラスウール
ガラス繊維でできた、綿状の断熱材です。
断熱性:〇 旭ファイバーグラス社のアクリアαは国内最高性能で、
※熱伝導率0.032W/(m・K)です。
耐火性:◎ 不燃素材なので耐火性バッチリです。
防音性:◎ 防音材としても使用されます。
防蟻性:〇 ガラス繊維なのでシロアリに食べられることはありません。
調湿性:△ 調湿性はありません。
施工性:△ 成型材のため、コンセント周りなど、細かい部分まで敷き詰めるのは
困難です。
経済性:◎ 流通量が多く、最安価です。
総 評:安価で耐火性が高く非常にコスパに優れます。ただし、細かい部分まで
敷き詰めるのは職人の技量に左右されてしまいます。
※断熱材の性能は熱伝導率で表され、数値が低いほど高性能です。
また、普通グラスウールの0.050W/(m・K)を基準に表されることもあります。
2.硬質ウレタンフォーム
空気に触れると膨らむプラスチック系の断熱材です。
断熱性:◎ 断熱材の中でもトップクラスで熱伝導率は0.026W/(m・K)です。
耐火性:△ 可燃性です。レオパレスの事件も、グラスウールを使わずにこれ
を使っていたため、防火性能が確保できず、違法建築となって
しまいました。
防音性:△ 防音効果はありません。
防蟻性:△ シロアリに食べられます。
調湿性:△ 調湿性はありません。
施工性:◎ 素人でも隅々まで吹き付けることができ、隙間ができません。
経済性:〇 材料代は高いものの、多くのハウスメーカーが取り扱っているので、
値段としては普通くらいです。
総 評:断熱性能さえよければ、他は要らないという人向けです。実際多くの
ハウスメーカーが「家中包んで魔法びんのような効果で暖かい」と
謳っています。可燃性の魔法びんで包まれるなんて恐怖以外何でもないですが
3.セルロースファイバー
古新聞にホウ酸を混ぜた木質系断熱材です。
断熱性:〇 熱伝導率0.040W/(m・K)です。
耐火性:◎ 不燃素材なので耐火性バッチリです。
防音性:◎ 防音性能もバッチリです。
防蟻性:◎ ホウ酸が混ぜてあるので、シロアリだけでなく、ゴキブリ、ダニなども
寄せ付けません。
調湿性:◎ 断熱材の中で最高の調湿性能を誇ります。
施工性:◎ 専門業者が隅々まで吹き付けるので隙間ができません。
経済性:△ 普及率も低く、専門業者による施工のため、コストは高くなります。
総 評:断熱性の他にもメリットが山ほどあり、まさに最高の断熱材です。
現在では専門業者による施工となっているので、コストがかかることが
唯一の欠点ですが、これだけ優秀な素材なので、今後普及率が増え、
コストが下がっていくことが期待されます。
3種類紹介すると言いながら、セルロースファイバーを推しているだけの記事になりました。個人的には壁の中をセルロースファイバー、さらにグラスウールを外張りする
ダブル断熱が理想だと思います。