ZEH(Net Zero Energy House)とは簡単に言ってしまえば、
光熱費を使用する分以上に発電するから
実質光熱費0円になる住宅のことです。
具体的には次の3つの要素から成り立ちます。
①住宅本体の高断熱化による省エネ
どのくらい高断熱かというと、2020年基準住宅の1.1倍、
世界最高のパッシブハウスの5分の1くらいです。
正直、断熱性能としては大したことありません。
②平成25年度省エネ基準より20%以上省エネ機器の設置
高効率のエアコンやLED照明器具などです。日本の家電製品は
世界的にも優れているので、これはなかなかの基準だと思います。
③光熱費が0円以下になるような創エネ設備の設置
主に太陽光発電パネルの設置です。
これらに適合したZEHとすれば現在では補助金75万円が
受け取れることになっていることから、政府がいかに推進
しているか分かると思います。
しかし個人的に問題だと思うのは①の高断熱化の基準の低さです。
具体的には
A.超高断熱住宅で冷暖房費が5万円かかり、
小さな太陽光パネルでその分発電。
B.高(?)断熱住宅で冷暖房費が20万円かかり、
大きな太陽光パネルでその分発電。
AとBどちらもZEHと認定されます。
どちらが良いでしょうか?
答えはもちろんAです。
理由はいろいろありますが、今回はコストで考えます。
例えばエアコンの寿命を10年、太陽光パネルを20年とし、
40年住むことを考えます。
Aは大きめのエアコン1台で全館空調できるので
本体代20万円/10年とし、
太陽光が20年で壊れ、残りの20年分の冷暖房費として
100万円とします。
Bは各室(6部屋とします)に普通サイズのエアコンがいるので
本体代12万円×6台=72万円/10年とし、
太陽光が20年で壊れ、残りの20年分の冷暖房費として
400万円とします。
こう考えると40年住むことを考えれば約500万円も差がつきます。
住宅の超高断熱化が200万円程度でできることを考えると、
Aにすべきではないでしょうか。